ボブ・ディランの魅力を再発見、珠玉のカバー15選(Rolling Stone Japan)

出典元:Rolling Stone Japan

ボブ・ディランほど様々な世代にカバーされてきたアーティストも珍しい。その中からジョーン・バエズからベティ・ラヴェット、ザ・ルーツ、ソニック・ユースまで、今こそ再発見したいカバーを15曲セレクト。

【写真&プレイリスト】ボブ・ディランの魅力を再発見、珠玉のカバー15選

いつの世もボブ・ディランの音楽は実に多くのアーティストを惹きつけ、カバーされてきた。彼が才能あふれるオリジナル・ソングライターであると同時に、彼の歌い方には「自分のほうがもっとうまくやれる」と思わせる部分があるからだ。キャリアの初期にはピーター・ポール&マリーが「風に吹かれて」をややスウィートにアレンジして大ヒットしたし、現在もカバーされ続けている。今回のプレイリストのトップバッターも、今年リリースされた『ラフ&ロウディ・ウェイズ』の収録曲「アイ・コンテイン・マルチチュード」をはじめ、ディランのカバー曲を集めた最新アルバムからの1曲だ。

今回のプレイリストはディランの歴代カバー曲の中から、オリジナルでははっきり表現されていなかった側面や感情をうまく引き出したものを中心に15曲をセレクトし、もっとも有名で耳なじみのあるカバーは除外した。なのでジミ・ヘンドリックスも、ザ・バーズも、ガンズ・アンド・ローゼズも入ってない。もっとも、これらの代表的カバーをお聞きでない方はぜひ一度聴いてみてほしい。さらに、今回のリストに載ってもおかしくないカバー曲は他にも山ほどあるので、決して決定版というわけではない――あくまで、彼の作品を別の角度からとらえたアプローチのひとつにすぎない。

エマ・スウィフト「スーナー・オア・レイター」

今年8月にリリースされたスウィフトの『Blonde on the Tracks』に収録。今回エントリーされた中でもっとも新しいカバー曲だ。ナッシュビルのシンガーソングライターは、アルバムに収録されたディランの曲のすべてにおいて奥に隠れがちな心情を見つけ出し、辛辣な「アイ・コンテイン・マルチチュード」のとげを和らげ、「運命のひとひねり」を涙を誘う作品にした。ここに挙げた「スーナー・オア・レイター」のカバーは特に素晴らしい。1966年当時のディランがカッコつけて表に出せなかった切なさを、深みのあるボーカルでたっぷり表現している。

※『Blonde on the Tracks』は主要ストリーミングサービスでは配信されていないが、Bandcampで購入する価値は十分ある。

オデッタ「ロング・アゴー、ファー・アウェイ」

オデッタはディランの音楽人生の初期に大きな影響を及ぼした人物だ。本人も自叙伝『Chronicles: Volume One』の中で、大学生時代にミネアポリスのレコード店で彼女のアルバムに出会ったときのことを回想している。「レコードの収録曲をほぼすべて、あの場ですぐに覚えちまった。(ギターの)ハンマリングのやり方も拝借したよ」。数年後、偉大なフォークミュージシャンにして公民権運動の活動家だったオデッタは、1965年のアルバム『Odetta Sings Dylan』でディランに敬意を表した。彼女のカバー曲はどれも堂々としているが、ディランの1962年の『ウィットマーク・デモ』に収録されているこのプロテストソングはとくに際立っている。オデッタは何世紀にもわたる憎悪、抑圧、暴力、不平等について歌いあげ、ばしっと辛辣にこう締めくくる。“今はもうはるか昔/今じゃありえないことばかり”

ブラザーズ&シスターズ「マイティ・クイン」

60年代後期、LAのプロデューサーだったルー・アドラーは飛ぶ鳥落とす勢いだった。ちょうどママス&パパスで成功をおさめ、キャロル・キングの『つづれおり』制作にも手を貸していたころだ。彼は業界のコネを生かして名だたるレコーディング・ヴォーカリストを招集し、1969年に『Dylan’s Gospel』を制作。教会の側廊を転げ回りながらボブを称えたくなるようなカバーアルバムだ。同じ年に「ギミー・シェルター」の雄たけびで歴史に名を残したメリー・クレイトンが、心躍るソウルフルな「マイティ・クイン」でリードボーカルをとっている。ディランのオリジナルは酔っぱらいの救世主ジョークだが、クレイトンのバージョンは思わず飛び跳ねたくなる。

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