ミュージカルの話をしよう 第9回 三浦宏規、ミュージカルは一度知ったら抜け出せない(後編)(ステージナタリー)

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出典元:ステージナタリー

生きるための闘いから、1人の人物の生涯、燃えるような恋、時を止めてしまうほどの喪失、日常の風景まで、さまざまなストーリーをドラマチックな楽曲が押し上げ、観る者の心を劇世界へと運んでくれるミュージカル。その尽きない魅力を、作り手となるアーティストやクリエイターたちはどんなところに感じているのだろうか。

【画像】ミュージカル「レ・ミゼラブル」より、三浦扮するマリウス。(写真提供:東宝演劇部)(他4件)

このコラムでは、毎回1人のアーティストにフィーチャーし、ミュージカルとの出会いやこれまでの転機のエピソードから、なぜミュージカルに惹かれ、関わり続けているのかを聞き、その奥深さをひもといていく。

第9回は三浦宏規。前編では三浦のクラシックバレエとの出会い、ミュージカルの魅力と奥深さに触れるきっかけとなった「恋するブロードウェイ♪」、そして「ミュージカル『テニスの王子様』」で得た“ライバル”への思いを聞いた。後編では20歳で初挑戦したミュージカル「レ・ミゼラブル」マリウス役での思い出や、5歳からステージに立ち続けてきたからこその“舞台愛”を語ってもらう。バレエ、2.5次元、王道のミュージカルへと活躍の場を移しながら輝きを増していく三浦が、「一度知ってしまうと抜け出せない」と言うミュージカルの魅力とは。なお取材は、「レ・ミゼラブル」2021年公演の稽古中に行われた。

取材・文 / 中川朋子

■ 日本版史上最年少でつかんだマリウスで、また歌を嫌いになった
──三浦さんは「ミュージカル『テニスの王子様』」で大きく羽ばたき、2019年には20歳でミュージカル「レ・ミゼラブル」のマリウス役を演じられました。オーディションにチャレンジしようと思ったきっかけは?

レミゼの2017年公演を観劇したことです。作品自体は知っていましたし、映画「レ・ミゼラブル」も観ていたのですが、初めてミュージカル版を観劇して「すごい舞台だ!」と圧倒されて。カーテンコールでは動けませんでしたね。それで「どうしてももう1回行きたい」と思ってチケットを取り、結局2回観劇しました。そのときは「自分が出演する」とかそういう感じではなく、オーディションも良い経験になるだろうと思ってダメもとでチャレンジしたんです。

──しかし見事に一発で合格され、日本のレミゼ史上最年少の20歳でマリウス役を演じられました。初めからマリウス志望だったんですか?

もちろん受かりたい気持ちはありましたけど、びっくりしましたね。初めて観たレミゼのマリウス役は、「恋するブロードウェイ♪」でご一緒した海宝直人さん。2度目の観劇では同じく恋ブロで共演した内藤大希くんでした。先輩たちの素敵な姿を拝見して「僕もマリウスを受けるしかない!」と。2019年のレミゼでは海宝さんと大希くんと僕、全員恋ブロ出身で、なんだかジンクスみたいなものを感じましたね(笑)。

──初出演のときに、印象的だった出来事があれば教えてください。

必死だったので、だいぶ記憶が飛んでるんですが、また歌を嫌いになったことは覚えています(笑)。嫌いになったというか、セリフではなく歌だけで心情を表現することがとても難しくて。レミゼは歌で進行するミュージカルですが、僕はそういう舞台に立った経験がなかったので。本当に大変でしたけど、先輩方と一緒にお稽古しながらたくさん勉強させてもらいました。

──2021年公演で、再びマリウス役に挑まれます。前回と比べて役との向き合い方に変化はありましたか?

1つ言えるのは、余裕が少しできたということ。2019年公演では「受かっちゃった、どうしよう。でもやらなくちゃ」という感じでとにかくがむしゃらでした。今回は大希くん、竹内將人さんとトリプルキャストでマリウスを演じますが、「マリウスはこう見えるんだ、なるほど。じゃあこうしてみたらどうかな」と自分の中で考えながらお稽古できています。先輩たちの演技を通じて、客観的に自分の役を見られるのはありがたいですね。

■ 出会いに導かれてたどり着いた舞台の世界が、やっぱり好き
──三浦さんはレミゼに出演されつつ、テニミュや「ミュージカル『刀剣乱舞』」にも出演されていますね。レミゼのようなグランドミュージカルと2.5次元ミュージカルとで、役に取り組むときに意識を切り替えることはあるのでしょうか。

特別何も変わらないですね。テニミュも刀ミュもレミゼも、どれも“原作”をもとに舞台を作り上げていると考えれば、大きな違いはないと考えています。もちろんこれは演じる僕の意識なので、お客様によっては2.5次元とグランドミュージカルとを分けて考えている方もいらっしゃると思います。でも両方やらせていただいている自分からすると、役作りで何か変えることはないですね。

──三浦さんはまずクラシックバレエという伝統的な表現を学び、そこから2.5次元という比較的新しいジャンルの舞台に飛び込まれています。そして今はレミゼをはじめとする、ある意味でクラシカルなミュージカルへの出演が続いています。バレエも2.5次元もレミゼも、表現や取り組み方にそれぞれ違った“正解”があり、かつそのジャンルの間には見えない壁もあるのではないかと思います。三浦さんはその壁を越えて活躍の幅を広げていらっしゃいますが、どういう思いで活動の“路線”を変更されてきたのでしょう?

自分としては、やってみたいことを見つけたらチャンスをつかみに行って、気付いたらそれに参加している、という感じなんです。「次はこれをやって、ステップアップしてあちらを目指そう」みたいな感覚は特になくて、だからそういう意味での“壁”は感じていないのかもしれません。僕のようにクラシックバレエをしっかりやって、2.5次元ミュージカルに出て、今は王道のミュージカルに出て……という人は確かになかなかいませんが(笑)。自分としてはとにかく、そのときそのときの目標に向かって努力して、それをつかんだらまたやってみたいことを見つけて、というのを繰り返しているんです。

──三浦さんには今、「これからこうなりたい」という目標や、憧れのお仕事はありますか?

今は「これ!」という目標が浮かばないです。バレエをやっていたときはビジョンがあった気もするんですが、今は13歳くらいのときの自分にとっては思いもよらなかったことにチャレンジしていて。10年前の自分が、舞台で歌っている今の僕を観たら「え!?」って言うでしょうね。思いがけないことをやりすぎていて、もはやちょっと面白くなってきています(笑)。実際、次に自分がどうなっていくのかわかりませんし、夢を探している途中なのかもしれません。でもまあ決めないほうが面白いかなとも思うし、視野も広がるんじゃないかなと。

──三浦さんは刀ミュやミュージカル「ヘアスプレー」のキャストと共に、歌番組にも出演されています。今後「映像のお仕事をやってみたい」といった目標はあるのでしょうか。

ないです! 実はちょっと、テレビに出るのは苦手かなあ(笑)。それにさっき「どうなっていくかわからない」とは言いましたが、やっぱり僕は舞台が好き。もちろん「絶対ない!」と決めているわけではないので、チャンスをいただけるならドラマや映画にも挑戦するかもしれません。でも少なくとも今は、舞台を中心にやっていけたらと思っています。

■ ポッカリ穴が空いたような自粛期間、花を生けて心はシーモアと共に
──5歳から舞台に立ち続けている三浦さんは、同年代の俳優仲間の方々と比べても、人生でステージに立った回数はかなり多いのではないかと思います。昨年は新型コロナウイルスの影響でミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」が途中で中止になったり、「ヘアスプレー」が全公演中止になったりしました。あの自粛期間を経て、舞台に立つことへの思いに変化はありましたか?

舞台は僕にとって生活の一部だったので、あの頃は変な感じでした。稽古して、本番に出て、家に帰ってお風呂に入って……というのが自分の生き方でしたから、ポッカリ穴が空いたようで。公演期間の途中でいきなり「明日で千秋楽です」と言われるなんて、それまではありえなかった。“ショー・マスト・ゴー・オン”の精神で、何があっても舞台は続けるものだと思っていたのに、昨年は突然の公演中止がたくさんありましたよね。だからありきたりですけど、やっぱり今は1公演1公演をよりかみしめ、幸せを感じながら舞台に立つようになりました。

──「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」は、今年8月にもう1度上演されますね。

また上演できて本当にうれしいです! リトショは舞台の公演中止が本格化する前、僕が最後に立ったステージでした。だから自粛中のふとした瞬間に思い出すのはリトショのことでしたね。花屋のシーモアを演じていたからか、気付いたら僕も花が大好きになっていたんですよ。ステイホームしながら花を買って自宅で生けたりして、「自分、何やってるんだろう?」と思いましたけど(笑)。今回は前回とほぼ同じキャストでチャレンジできることがすごくうれしいですし、僕は花屋の店員としてレベルアップした演技をお見せできるかもしれないです。

■ 「バルジャン笑ってる、良かった!」カーテンコールの感動を知ったら抜け出せない
──さまざまなジャンルの舞台に立たれてきた三浦さんが、これまでのキャリアの中で特に忘れられない舞台の光景は何ですか?

パッと浮かんだのは、2019年のレミゼですね。プレビュー公演のカーテンコールで、お客様がスタンディングオベーションしてくださったんです。2017年に自分が帝国劇場の客席でレミゼを観劇したときは、自分がレミゼを演じる側になるとは想像もしていませんでしたが、心のどこかに「いつかあちら側に行きたい」という気持ちもあった。出演が決まってからはとにかく必死で、なかなか実感が湧きませんでしたけど、総立ちのお客様を見てやっと「本当にこの作品の一員になったんだな」と、ジーンと来ました。ただ実は2019年公演では気持ちがフワフワしていたので、あまり“帝国劇場のすごさ”をわかっていなかった。だから2回目の今年のほうが、“帝劇”を実感して足がすくんでしまうかもしれないです(笑)。

──最後に、三浦さんが考えるミュージカルの良さ、魅力を教えてください。

難しいなあ……。演じる側というより観る側の視点になりますが、観客としての僕は一生、ミュージカルを観続けたいと思っています。やっぱりミュージカルの良さって、非日常を味わえることかなと。劇場に入ってオーバーチュアが流れてきて「ああ、幕が上がる!」という瞬間は、いつもすごくワクワクします。それに僕は素敵な作品を観ると、カーテンコールで一番感動してしまう。例えばレミゼなら、カーテンコールでキャストがみんな出てきて、ジャン・バルジャン役の方が笑顔でほかのメンバーを迎えていると、僕は「うわあ、バルジャン笑ってるよ。良かった!」って泣いちゃうんです。「誰目線で泣いてるの?」という感じですし(笑)、あの感覚を言葉にするのはすごく難しいんですけど。カーテンコールのそういう瞬間がすごく好きです。

──確かにカーテンコールでのキャストの笑顔は、舞台だからこそ観られるものですよね。

演じ手としても、カーテンコールでいただく拍手を1度知ってしまうと抜け出せないなと思います。気持ちを拍手で伝えられるのは、生ものならではの良さですよね。舞台から見ていると、お客様がどれだけ作品にのめり込んで観てくださったのか、拍手する手の位置の高さで僕たちにも伝わってくるので、ちょっと怖さもあるんですけど(笑)。カーテンコールでの感動をまだ知らない方には味わってほしいですし、知ってしまった人はもう戻れません。たとえお給料がチケット代で飛んでいってしまうとしても、一生劇場に通ってしまうはずです!(笑)

□ プロフィール
1999年、三重県出身。5歳でクラシックバレエを始め、数々のバレエコンクールで入賞を果たす。東京ワンピースタワー「ONE PIECE LIVE ATTRACTION~Welcome to TONGARI Mystery Tour~」では、モンキー・D・ルフィ役を担当。近年では「ミュージカル『テニスの王子様』」3rdシーズンで跡部景吾役、「ミュージカル『刀剣乱舞』」シリーズで髭切役を務め、

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