「ミッドナイトスワン」内田英治監督&森谷雄プロデューサー対談・前編/思い出すことができた幼少期の映画体験(映画.com)

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出典元:映画.com

内田英治監督が脚本も兼ね、草なぎ剛を主演に迎えたオリジナル映画「ミッドナイトスワン」が、観客動員50万人、興行収入6.9億円を突破するスマッシュヒットを飾っている。リピーターが続出するほど熱い支持を得た今作がいかにして誕生し、いま、どのような光景が作り手たちの目線には映っているのか、内田監督と森谷雄プロデューサーに話を聞いた。2時間以上にわたる対談となったため、3回に分けて展開していく。今回は第1弾となる前編をお届けする。

 9月10日にTOHOシネマズ64館で先行上映が行われ、同25日から全国公開された同作だが、それ以前から業界内ではザワついていた。宮藤官九郎、鈴木おさむ、広末涼子、竹内涼真ら出演していない著名人たちが絶賛。封切り後はTwitterを中心としたSNSで異常なほどの勢いで口コミが広がっていった。内田監督と森谷氏にとっても、想定を上回る情熱的な拡散だったようだ。

 内田「僕はとても後ろ向きなところからスタートしていまして、会見でも後ろ盾が全くないと言ったところ、色々な方が『後ろ盾ありますよ!』と言ってくれた。興行収入が2億円を突破したころになると、周りから連絡が来るようになった。舞台挨拶の時も、宣伝部の人が飛んできて『大ヒットですよ!』って。それでも、『ん? 怪しいな。これはきっと身内の中でのヒットだな』と疑っていたくらい(笑)。こういう作品が売れるって実感がなかったんですよ」

 森谷「こんなにも沢山の方が見てくれるとは思ってもみませんでしたが、草なぎさんが出演すると決めてくれた時から奇跡は起きているんですよね。事前にご覧いただいた方々の反応がとても良くて、この感じが伝わればもしかしたら……、という思いはありました。監督は『後ろ盾が』と言っていましたが、作品を見て頂けたら後ろ盾は出来ていくように感じていました」

 内田「以前、ある人に『作った人たちがひとつのところに向いている作品は、興行においても圧倒的に強い』と言われたことがあるんです。当時は『どういう意味なんだろう?』と思っていましたが、今回はそれを感じることが出来ています。キャスト、スタッフ、配給もひとつのところに向いていて形になっていました」

 内田監督は公開後、上映館へ足を運び気づいたのは「興行の前半と後半で、客層が全く違った」ということ。

 内田「最初は若い方々、女性ファンが中心だったんですが、後半は30~40代のご夫婦で来ている方が凄く多かったんです。それを見て、ようやく後ろ盾が出来たかなと実感できました(笑)」

 森谷「僕も知人から、『ふだん滅多に映画を観に行こうなんて言わない妻から10数年ぶりに誘われた』って、それが『ミッドナイトスワン』だったそうです。僕は他の撮影がコロナ禍で来年に延期になってしまったこともあり、この作品が心の支えみたいになっていました。皆さんが劇場で見てくれているって分かる時代じゃないですか。勇気づけられましたし、嬉しいという感情が沸き立ちました」

 企画が成立する“前夜”、内田監督と森谷氏は東京・下北沢のファミレスで打ち合わせをしていたという。

 森谷「内田さんが『この内容を伝えるには、超メジャーな俳優が必要です』とおっしゃったので、草なぎさんに当たってみますねって。あの時、内田さんはまだ半信半疑だったと思うんです。でも脚本を読んでもらったら、やりたい!と言ってくれた。主演がテーマをきちんと理解してくれて、絶対に誰にも渡したくない脚本だと思ってくれた。この20年ほど、製作委員会方式が主流になって全てが合議制で進められてきたわけですが、今回はそうではない映画作りが出来たんじゃないかと思っています。意思の疎通がストレートで、本当に気持ちの良い現場でした」

 内田「海外だとクリエィティブを先導しながら意見を集約し、より良いものをピックアップするショーランナーというポジションの人がいますよね。日本は合議制だけど、ショーランナーがいない。みんなが権限を持ってしまっている。だけど、『ミッドナイトスワン』はとてもクリエイティビティに溢れていた。みんな、意見をめちゃめちゃ言いますけど、最終的に僕に任せていただけたから」

 森谷「全員が、内田さんの書いた脚本を『これは絶対に映画にしなくちゃいけない』という気持ちになっている。アシスタントの、更にアシスタントまでが。そういう作品を経験したのは、初めてでした」

 内田「脚本作りもね、本来は意見が欲しいんです。そこから精査すればいいだけの話。今回はカメラマンですら意見をくれた。『全裸監督』のときもそうでした。ということは、それが出来る環境の作品は、結果に繋がる可能性が高いということを、声を大にして言いたい。製作陣と監督が対決姿勢…というのが、日本映画の伝統みたいになっていますが、古いですよ。日本もワールドスタンダードに移行していく時期に差し掛かっていると思います。『ミッドナイトスワン』は労働時間とか全てにおいてワールドスタンダードな現場でしたよ。スタッフも能力が高い人たちが集まって、あのチームが集まったら悪いものにはなりようがないというくらい、良い現場。70年代までの日本映画には、映画は戦いだ!みたいな意識からパワーを生んでいたかもしれないけれど、現代には必要ないですよ」

 相当な手応えで撮影を推し進めていった内田監督と森谷氏の前にも、新型コロナウイルスの感染拡大という難題が突き付けられ、撮影はいったんストップした。なんとか撮了に漕ぎ着けたが、この状況下での公開に、前向きな気持ちになれなかったのも無理はない。だが、いまは前を見据えている。

 内田「僕は幼少期、映画に凄いパワーをもらったんです。今はもう映画にそんなパワーはなくなっちゃったんだと思っていたけど、そんなことない、変わっていなかった。コロナ禍で、映画ファンにそれを見せつけられた気がします。もらうものの方が多かった。良い経験をさせていただいている。この作品を、まるでアイドルグループのように応援してくれるんですよ。観た方々が語り合ってくれて、解析もしてくれて、独自の解説もしてくれて……」

 森谷「9月くらいから映画館にお客さんが戻ってきてくれるようになって、僕も色々なことに気づかされました。そう、気づきの年になっているんです。僕自身も、子どもの頃に映画館にパワーをもらいに行っていました。『しんどいな』と思うことがあっても、映画館の中に入れば夢を見られた。いま改めて、思い出させてもらっています」

(中編へ続く)

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