出典元：IGN JAPAN

『トップガン マーヴェリック』（レビュー）の監督であるジョセフ・コシンスキーはゲーム『Gears of War』の大人気トレーラーにてキャリアをスタートさせている。この事実は以前の記事でも書いてあり、有名な話である。
本稿では、もうすこしだけ『Gears of War』のトレーラーや、監督とゲームの関わりについてお伝えしよう。

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2006年（日本は2007年）にリリースされた初代『Gears of War』は、初期のXbox 360におけるキラータイトルとしてマイクロソフトからリリースされたTPSだ。本作の開発を務めたのは今では『フォートナイト』で有名なEpic Gamesで、『Gears of War』で導入されたカバーのシステムは多くのゲームに影響を与えた。
このゲームのトレーラーでもっとも有名なのが、上記のMad Worldと題したものである。暴力的なゲームだと思われていた本作だが、悲しげな曲とともに主人公のマーカスと舞台となる惑星セラが描かれている。その内容は当時かなり衝撃だった。このトレーラーで流れるシーンがゲーム内にあるわけではなく、ゲームでこの曲が流れることもない（『Gears of War 3』ではこの曲Mad Worldのインスト版が流れている）。海外ゲームにおけるイメージ映像のようなトレーラーは現在ではよくあるものだが、それはこのトレーラーの人気によってゲーム業界に広まった部分も大きいだろう。

このMad Worldトレーラーでキャリアをスタートさせたのが『トップガン マーヴェリック』の監督であるジョセフ・コシンスキーだ。実はこのトレーラーは当初、『ファイトクラブ』や『セブン』などで知られるデヴィッド・フィンチャー監督が担当する予定だったらしい。しかしながら、フィンチャーはスケジュールの都合によって降りたようだ。それによって、コシンスキーに役目が回ってきて誕生したトレーラーだったことが最近になって明かされている（海外メディアGamesRadar+より。英国アカデミー賞 ゲーム部門のインタビューによって判明したもの）。
ほかにも、コシンスキーは『Halo 3』のCMや『アサシン クリード ユニティ』のCM、『DOOM』（2016）のシネマティックトレーラーなどに関わっており、ゲームとの関係が深い。

コシンスキーは映画監督としては『トロン：レガシー』でデビューしており、CG分野で定評のある監督だった。なお、最新作となる『トップガン マーヴェリック』ではCGを使わない撮影手法が明かされていた（本稿の最初で言及した記事）。記事によるとコシンスキーはCGの世界を離れるわけではなさそうとのことなので、今後も彼が関わる、ゲームのトレーラーが見られるかもしれない。