不仲の両親、祖父の家で過ごす夏休み 少女の心情みずみずしく描く「夏時間」監督「どんな家族にも痛みや問題がある」(映画.com)

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出典元:映画.com

10代少女の視点から家族や友人との関係を描き、2019年の第24回釜山国際映画祭でNETPAC賞など4部門を受賞した「夏時間」が公開された。長編初監督作ながら快挙を成し遂げたユン・ダンビ監督が作品を語った。

【動画】「夏時間」予告編

 中学生のオクジュと弟ドンジュは、父親が事業に失敗したため、大きな庭のある祖父の家に引っ越して来る。しかし、そこに母親の姿はなかった。弟はすぐに新しい環境に馴染むが、オクジュはどこか居心地の悪さを感じる。さらに離婚寸前の叔母までやって来て、ひとつ屋根の下で3世代が暮らすことになる。

――本作を制作したきっかけは?

 最初から家族の物語にしたいと思っていました。私が最もよく知っているのは自分の家族で、それを撮らなければ次に向かえないと思っていました。私は映画を“友”と考えており、友となってくれたような映画をつくりたいと思っていました

――シナリオ執筆から映画撮影までの経緯について教えてください

 最初に書いたシナリオは「パラサイト 半地下の家族」のようなブラックコメディー風だったのですが、スタッフの意見を聴き、本当に描きたい内容なのか、それとも長編を撮るために物語を作り出しているだけなのか考えました。実体験を書いたわけではなく、情緒や感情に基づく私の経験の一部分をシナリオに反映させていきました。祖父の家で暮らしたことも、弟とケンカをしたことも、母と別れて暮らしたこともありませんが、登場人物たちの気持ちを十分理解し、共感できました。

――姉役のチェ・ジョンウンと弟役のパク・スンジュンへの演出について

 役者に指示を出す時、彼らの心の傷に不用意に触れたくないと考えています。演じる時、役者は過去の記憶を辿らざるを得ないはずですが、監督である私が彼らを追い詰めるのではなく、役者が心を痛めないよう配慮したいと思うからです。撮影に入る前に彼らとたくさん話し合い、役者との距離を縮めてざっくばらんに語り合える間柄になれるよう頻繁に会うようにしました。例えば、電話でおじいさんの訃報を知った時や葬儀場で、オクジュ役のジョンウンさんが泣くシーンでは、彼女に過去の経験を思い起こさせて感情を引き出すのではなく、私自身が過去に経験したことを話すようにしたのです。

 訃報を聞くシーンを撮る時はシナリオにも本編にも出てはきませんが、ジョンウンさんが感情移入できるよう叔母さんがオクジュに電話をするセリフを作り、叔母さん役のヒョニョンさんがワンテイクごとにセリフを言ってくれました。スンジュン君に指示を出す時も同様に、「ご飯を美味しそうに食べてほしい」「お姉ちゃんにカバンを取られないようにしてね」など、どう行動してほしいかを話した。そのほうが彼らの演技の助けになると考えたからです。役者の自然な演技を引き出すことに注力し、さらに求めるものがある場合は具体的な行動を話す。私も役者たちと共に成長していくように思っていましたが、ふたりがうまく演じてくれたからこそ実現できたことです。

――オクジュと家族の姿を通じて語りたかったことは?

 学生時代は「うちの家族には問題がある」と人に言うのが恥ずかしくて良い面だけを話していましたたが、どんな家族にも痛みや問題を抱えているものであり、それぞれの方法方で傷を癒やしているのだと、成長するにつれ、わかってきました。不完全さが普遍的な姿であっても、それでも愛さずにはいられない家族の関係について語りかったのです。オクジュはつらい経験をしますがそれを乗り越え、家族の不在ではなく共に過ごした思い出を心に刻んで成長してほしいとの願いを込め、そのような物語を描きたいと。なぜなら私自身がかつて同じような思いを抱いていたからです。

――長編初監督作です。国内外の映画祭で受賞した時のお気持ちは?

 賞もありがたいのですが、実は観客の方々との対話から皆さんが「夏時間」を評価し支持してくださっている事が伝わってきて、とても励まされました。賞をいただく度に嬉しさよりも、作品自体がおのずと道を切り開いていくようで、有難くも申し訳なくも思えて感慨深いものがありました。釜山国際映画祭で初めて上映されるまで誰も知らない映画だったのに、観客の方々の力で作品が前進し始めたのです。映画が自ら進むべき道を切り開いていくようで胸が一杯になりました。ロッテルダム国際映画祭で受賞した時は、作品が撮影地である仁川からロッテルダムまで自分の足で歩いてきたかのようで涙が止まりませんでした。

 ロッテルダムでポン・ジュノ監督と昼食をご一緒した時、「パラサイト 半地下の家族」が世界の注目を集める中、ポン・ジュノ監督の周りには人だかりができていて、あまりお話しできませんでしたが、中国料理店のターンテーブルに「夏時間」と書いた名刺を載せて回し、監督にお渡ししたところ、ポン・ジュノ監督は笑顔で映画を観ると言ってくださいました。

――「夏時間」が観客にとってどんな映画になってほしいとお考えですか?

 映画を作る時はいつも、作品が観る人の友になってほしいと願っています。学生時代に孤独を感じた時や行き詰まった時は、いつも映画を見ていました。テストがうまく解けなかった日はハリウッド映画「いまを生きる」のような作品で自分を慰め、孤独感にさいなまれた時には小津安二郎監督の作品に癒やされました。小津監督は生きる時代も国も違う私のことを理解してくれていると感じ、小津監督の作品は良き友となってくれました。観客の方々にとり「夏時間」が、過ぎた日の後悔や自責の念、成長する過程で避けては通れなかった苦しみを包み込み、共有できるような友となれば幸いです。

 東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。

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