演劇を通して“自分とは異なるもの”見つめて、SPAC「秋→春のシーズン」&「冬の特別公演」(ステージナタリー)

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SPACの「秋→春のシーズン2021-2022」および「冬の特別公演」プレス発表会が、本日9月14日にオンラインで開催され、SPAC芸術総監督の宮城聰とフランスの演出家セリーヌ・シェフェールが参加した。

【画像】宮城聰(c)Y.Inokuma(他16件)

「秋→春のシーズン」では、毎年10月から3月にかけて宮城と国内外の演出家による作品を、静岡・静岡芸術劇場で連続上演している。昨シーズンは、静岡芸術劇場の工事休館のため、上演は県内各地の文化施設で行われたが、今シーズンは「みつばち共和国」「桜の園」「夜叉ヶ池」の3作品が、工事後の同劇場で上演される。

10月2日に開幕するのは、メーテルリンクのエッセイ「蜜蜂の生活」をもとに、シェフェールが作・演出を手がけた「みつばち共和国」。本作は、昨年SPACが日本語版として静岡・舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」で上演しており、劇中ではミツバチたちの生態が、四季の移ろいと共に描かれる。

昨年は来日が叶わず、Zoomを介し演出をしたシェフェールだが、今回は来日し、直接演出する。現在、日本で2週間の隔離待機中のシェフェールは、今の心境を「すでに待ちきれない気持ち」と笑顔で明かしつつ、「『蜜蜂の生活』を読んだときに衝撃を受け、これを具体化したいという非常に強い気持ちが湧きました。何が、自分たちと自然を結びつけているのか。ミツバチの生態を通すことで、その問いへの道が開かれるのではないかと思います。そしてそのことを、ぜひ子供たちだけではなく、大人たちにも伝えたい」と意気込みを語る。

なお、昨年は舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」で上演され、コロナウイルス対策のため舞台上で発声する俳優が限定されていたが、今回は静岡芸術劇場に会場を移し、実際に声を発しての上演となる。シェフェールは「前回と今回の一番の違いは、役者が直接舞台上でしゃべれるということ。また私が直接劇場で俳優たちとやり取りして、空間を共有しながら演出します。情熱や感受性など、受け渡せる部分がより大きくなり、より細やかな作品作りができると思います」と言葉に力を込めた。

11月から12月にかけて上演されるのは、フランスの演出家ダニエル・ジャンヌトーが演出と舞台美術を手がける「桜の園」だ。本公演には、SPACの俳優陣に加え、フランスの俳優が出演。8月には、来日アーティストの隔離期間を経て、第1期の稽古が実施された。宮城はジャンヌトーを「フランス人の演出家の中でも、最も古くから存じ上げている方の1人」と紹介。「コロナ禍で、世界中の人々が、自分の感覚を共有し合える狭いコミュニティやサークルの中にこもってしまう傾向が強くなっています。その中で、“他者”と出会うということが、芸術の果たす役割になってきています。他者というのは、自分にとって疲れるけれども、自分を変えてくれるかけがえのない存在。日本語とフランス語の2カ国語で上演される『桜の園』は、このことを改めて痛感させてくれる作品です」と述べた。

来年1月から3月にかけて上演され、「秋→春のシーズン2021-2022」の最後を飾るのは、宮城が演出する泉鏡花の戯曲「夜叉ヶ池」。2008年の初演以来、SPACで繰り返し上演されてきた本作が、約7年ぶりに披露される。宮城は、本作と「みつばち共和国」の共通点を、作中で“人間と自然がどのように付き合っていくかが描かれていること”だと話し、「人間は、つい“自然”と“人工”を対比させ、どちらかが100%正しいという対立構造で捉えがちです。でも、人間は昔から、ミツバチによる受粉を農業に利用してきました。これは自然と人間が、手をつないでいる状態です。泉鏡花も、自然と人間が手を携えるという生き方を探求したかったんだろうと思っています。人間をただ単に自然を破壊する存在と捉えるのではなく、人間と自然がどうやったら一緒に共存していけるかを探求する。『夜叉ヶ池』は、そういった意味でも、とても今日的な作品だと思います」と語った。

また、12月には「SPAC冬の特別公演」と題し、伊藤郁女と笈田ヨシによる「Le Tambour de soie 綾の鼓」、そして宮城が演出を務め、美加理が出演する「夢と錯乱」の2作が上演される。「Le Tambour de soie 綾の鼓」は、三島由紀夫の短編戯曲集「近代能楽集」中の1作「綾の鼓」をもとに、伊藤と笈田が演出・振付・出演を担う作品だ。宮城は「ヨシさんは僕にとって恩人の1人」と明かしつつ、「ヨシさんにとって三島由紀夫は若い頃の恩人、あるいは羅針盤となった人。その戯曲に取り組まれているということで、(本作は)おそらくヨシさんの人生の中でも、非常に重要で大きなお仕事だろうと思っています」と言及。また作品について「ヨシさんの肉体そのものの魅力が放出されていることはもちろん、伊藤さんの身体との素晴らしい相乗効果で、観るものを肉体の魅力というもので包み込んでくれる作品です」と熱く語った。

一方の「夢と錯乱」は、夭逝した詩人ゲオルク・トラークルの自伝的散文詩で、2019年に死去したフランスの演出家クロード・レジが最後の演出作に選んだことでも知られる。今回宮城は、レジへのオマージュとして本作に挑む。宮城はかつてフランス・パリの施設へレジを訪ねたことがあると言い、そのときレジに「あなたは『夢と錯乱』を演出するんでしょ」と言われたことがあったと明かす。「その場にいた演出助手の方も僕も、『いや、それは勘違いですよ』と否定したんですけど、その発言が今、僕の背中を押してくれています。今回はレジさんが取った手法をそのままやるわけではありませんが、レジさんがおっしゃっていた言葉の粒……例えば舞台上の俳優に『時間はたっぷりあるんだ、夢を見なさい』と言っていた言葉などは、僕の脳に食い込んでいます。今回もそういった気持ちで演出したいと思いますし、人生の1つの結晶として、『夢と錯乱』をご覧いただけたら」と述べた。

最後に宮城は「僕たちは危機と言われる状況に陥ると、何とか身を守ろうという本能が働いて、異物をなるべく排除しようとしてしまう。それはウイルスだけではなく、外国人や、自分とは別のグループに対してもそうです。その風潮は、このパンデミック下、世界中で起こっています。今のようなときには、いかに僕らが分断されているか、いかに僕らが互いを排除しているかということから目を背けないようにしなければいけない」と言い、「自分とは異なるものをまじまじと見なければいけないのが演劇です。自分たちの置かれている状況から目を背けずに見ていくこと、演劇はそのきっかけになるとと思っています」と述べ、会見を締めくくった。

■ SPAC秋→春のシーズン 2021-2022
□ 「みつばち共和国」
2021年10月2日(土)・3日(日)、9日(土)・10日(日)、23日(土)・24日(日)
静岡県 静岡芸術劇場

2021年11月27日(土)
静岡県 下田市民文化会館 大ホール

原作:メーテルリンク「蜜蜂の生活」
作・演出:セリーヌ・シェフェール
日本語台本:能祖將夫
出演(五十音順):たきいみき、永井健二、仲村悠希
声の出演:木内琴子

□ 「桜の園」
2021年11月13日(土)・14日(日)、20日(土)・21日(日)、23日(火・祝)、28日(日)、12月12日(日)
静岡県 静岡芸術劇場

2021年12月3日(金)
静岡県 磐田市竜洋なぎの木会館 大ホール

演出・舞台美術:ダニエル・ジャンヌトー
アーティスティックコラボレーション・ドラマツルギー・映像:ママール・ベンラヌー
作:アントン・チェーホフ
翻訳:アンドレ・マルコヴィッチ、フランソワーズ・モルヴァン(フランス語)、安達紀子(日本語)
出演:鈴木陽代、布施安寿香、ソレーヌ・アルベル、阿部一徳、カンタン・ブイッスー、オレリアン・エスタジェ、小長谷勝彦、ナタリー・クズネツォフ、加藤幸夫、山本実幸、アクセル・ボグスラフスキー、大道無門優也、大内米治

□ 「夜叉ヶ池」
2022年1月22日(土)・23日(日)、29日(土)・30日(日)、2月6日(日)、12日(土)・13日(日)、19日(土)、23日(水・祝)、3月5日(土)
静岡県 静岡芸術劇場

演出:宮城聰
作:泉鏡花
出演(五十音順):奥野晃士、春日井一平、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、鈴木真理子、たきいみき、武石守正、永井健二、ながいさやこ、布施安寿香、三島景太、宮城嶋遥加、山崎皓司、若宮羊市

■ SPAC 冬の特別公演
□ 「夢と錯乱」
2021年12月12日(日)、18日(土)・19日(日)
静岡県 舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」

作:ゲオルク・トラークル
演出:宮城聰
出演:美加理

□ 「Le Tambour de soie 綾の鼓」
2021年12月18日(土)・19日(日)
静岡県 静岡芸術劇場

原作:三島由紀夫
テキスト:ジャン=クロード・カリエール
演出・振付・出演:伊藤郁女、笈田ヨシ
音楽・出演:矢吹誠

※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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